私は死ねない/月夜野
 
をこぼしたのだった


 あれから何年経っただろうか
 それでも私は生きている
 消え入りそうな焚き火に 今日の糧をくべ
 ほそぼそと希望をつなぎながら


 私は死ねなかったのだ
 私の心臓が あまりにも健気に働くから
 私の両肺が あまりにも必死に膨らむから
 私は死ねなかったのだ
 私の血管が あまりにも力強く脈打ちながら
 「生きて 生きて」と囁くから



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