「冬の空、冬の道、僕の道」/広川 孝治
私は生きてゆかねばならぬ
真裸(まはだか)で生まれて来た自分だが
成長した今は、しがらみと責任を背負って
生きてゆかねばならぬのだ
金属のような色をした厚い雲が垂れ込め
僅かも光を漏らさぬように
びっしり空を覆っている
北風が梢の葉を落とし
私の頬を撫ぜ背筋を通り抜け総毛立たせる
それでも私は生きてゆかねばならぬのだ
すべてをしょってこの足で
生きてゆかねばならぬのだ
光なく思えようとも
寒さに震えようとも
生きてゆかねばならぬのだ
自分の足で、自分の心で
戻る 編 削 Point(1)