*イディオとサヴァンの夢工房*/知風
 
イディオとサヴァンは瓜ふたつ
それもそのはず 種ひとつ

イディオは天才 サヴァンはあほう
イディオは発明家でサヴァンは道化

ふたりはローズヴァイン通りの人気者


ある日散歩に出かけたイディオは
古くてボロくて底抜けの
糖蜜工場をまるごと買った

イディオはとうとう発明したのさ
旨いウィスキーをつくる方法を
安いエールなんか目じゃない奴さ

毎日トタンや柱やねじ釘を
少しずつ運んで組み立てて
イディオの夢は工場長

それをはたから見ていたサヴァン
通りのはずれの野っぱらに
なにやらガラクタ積み上げはじめた


イディオは古い工場を掃除して

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