芽吹く/
夕凪ここあ
れる写真の春景色
夢にも見たことのないやさしさの色がほしくて
少女のさくら色の手袋
窓の外では
永遠に白が続いて
夜には綿毛の軽さで舞い降りて
朝にはまた閉ざされてく町
を眺めてまっすぐな瞳が夢見る、さくら色
日毎埋もれてく しろいまち
白い息を吐いて走る少女
かすかに色づくさくら色のほっぺた
こんなにもあたたかい
ぬくもりまで埋もれないよう
しろいまちに
溢れるやさしさの芽吹き
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