水没都市/
月夜野
の水にも
びくともしない
水はいよいよ川のごとく街路を流れ
池や堀や用水路さえも
等しく川の一部になった
やがて水は、わたしの脚から腰
腰から胸
胸から肩へと嵩を増し
喉の奥へと押し寄せた
こうしてわたしは内と外から
水に溺れた
反転した世界の底で
わたしは最も下等な魚類となり
地下王国の玉座の前にひれ伏すだろう
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