景色が揺らぐ春の午後。/
真紅
切な人が死んで、悲しくて悲しくてしょうがない。
そんな時は実像にすがるんだ。
家族や友人、恋人。
君の世界には実像がたくさんある。
それにすがりつくんだ。
そうすればきっと虚像はどこかへ飛んでいってしまうから。
景色が揺らぐ春の午後。
私は、視界に置き去りにしたままの感情を抜け殻の私に戻した。
頬を涙がつたう。
悲しみは涙になって流れ出た。
喜びは笑顔になって戻ってきた。
戻る
編
削
Point
(1)