「脳梗塞」/広川 孝治
 

生意気にも

ねえ、お前たち
わたしは生きていても良いのかい?
なんだか最近そう思えるようになってきた

たとえ食事の支度ができなくても
お前たちに何をしてやることもできなくても
ただ世話になるだけであったとしても

わたしは生きていても良いのかい?
こんなわたしでも
お前たちの役に立っているのかい?

風がなり雨が唸る
飛び込んでくる外の音に耳を向けながら
わたしは声にならない言葉を繰り返す

ありがとう、お前たち

こんなわたしでも
お前たちの役に立っているのかい?

こんなわたしでも
生きていても良いのかい?

生きていても良いのかい?

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