Estrellas muertas/Utakata
星が生まれる場所を探すのだといって
青白い廃墟に続く石畳をただひたすらに歩く男
腕時計は
旅の最初に外して地面に捨てたのだそうだ
夜空は既に
公転することを止めた無数の星
見知らぬ星座
歩くみちみち
彼らに一つ一つ名前を付けたのだと彼は言った
石畳が途絶えるとき
そこには水平線さえもない黄昏が広がっていて
その先に何があるのか彼は知らないらしい
何ヶ月かに一度、
真っ赤に爛れた太陽がゆっくりと遠くに顔を出すらしい
極点の一日のように、地平近くを這うようにして再び沈むだけらしい。
星が生まれる場所を探すのだといって
自らの旅が始まった瞬間を既に忘れ去った男
罅割れた水道管で水筒を満たし
果てるとも知れない廃墟を永遠に踏みしめ続ける男
歩くみちみち
彼らに一つ一つ名前を付けるのだと彼は言った
彼が捨てた時計は今でも
割れた石畳の奥深くで
ちくたくと動き続けているという話だ
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