流舞結晶 〜冬のクジラとさいかい〜/こしごえ
それから(あ…
涙のさめる速度で
失ってゆく
かつての海原へ
予感する視線がまっすぐ立ち
地軸のかたむきをなぞる
そっと
(夢を瞳の奥に燃やしている核心
のぼっていった少しばかりのゆらめきが
ほそくほほえみながら手をふっている
降って来たのですわ
無限遠の焦点から
白く白い響き白くあふれる
(なぜ ふるえるの
くりかえし果てるのに
終らないの
始まるわ
失うとは)
一粒一粒が
大地を流れ
大空(おおぞら)を漂い
故郷を眺望して
帆は風をとらえ
断崖の波を越えて
微睡(まどろみ)と並行する
少女の青ク
青いクジ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(26)