道程/わら
その夜は、どうも、ワル酔いをしちまったらしい。
おれが、あの後、ヘドをぶちまけていたことなんて、
おまえは知らないんだろう。
「飲み明かすなら、 つきあってやる」 なんて、
調子づいたわりには、情けねえな。
ああ、なんかに あたっちまったのかな。
きっと、 あれが あやしいや。
おまえと別れた後、
クラクラと、目がまわってきた。
家までの道のりが、どれほど つらかったことか。
歩く度に、視界がまわって、
冗談なしで、
10回は 吐き出しちまったぜ。
駅の便所で。
道ばたで。
手足は、ぷるぷる、ふる
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