新人類(クローン人間)/Terry
 
ことを。セリにはスーパーコンピュータが与えられていたが、何事にも好奇心旺盛で、ハッキングまでする。ラウムのトップシークレットまで忍び込んだことが命取りだった。「人類の存亡にかけてクローン人間を抹殺する処置について」そこにはセリの名前もリストに加わっていた。一目散にラウム施設脱出の準備を始めた。手にはレーザーガンを持って。部屋のドアを ID カードで開け、何事もない顔で通り過ぎる。インフォメーションコーナーで男に呼び止められた。
「待ちたまえ。君はセリ・・・だったね。戻りなさい。」
レーザーガンを持ち構えようとした。だが、女性には荷が重すぎた。揉み合いになり、レーザーがセリの胸を貫いた。人生の終わりに、片言で喋った。

儚きや
人工頭脳
あれここに
永遠(とわ)に思へど
朽ちておいらむ

日本の短歌であった。愚かなるラウム。
 捨てられたセロは、ある青年団に助けられていた。
 クローン開発プロジェクトチームを始めとする微生物学は科学の限界点で奮闘している。
 また人は何かを作り、滅ぼしていくのか。
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