銃声などなく進む/yozo
イメージをカラダに入れてみる
全てが一瞬にサッと色をなくし
何かがスパークした残像を
見たような 気 になったところで
ゆっくりと目を開ける
世界は先ほどと何も変わらないのに
面白いくらいうっすらと鮮やかに
光の粒子が見える 気 がする
ぼくにしか見えないとしたら寂しいなと思う
風が吹いて砂粒が目に入る
反射神経で目をつむりゴシゴシこすって涙を流す
そんな風にこすらない方がいいと
ボヤけた片目の視界の中に光を背負って声がする
見知った表情に言葉を失えば
不思議そうに見返す視線に
何でもないと言ったまま絶句するのを笑われて胸が一杯
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)