愛の形/茉莉香
手を握ると仄かな貴方の暖かさが
心まで届いて私は目を瞑る
不器用な言葉をひとつひとつ噛み砕き
とうとう此処まで着てしまったけれど
目の前の道は二つだねと呟いて
足を止めたとき、貴方ももう気がついていたのかしら
この先何があっても一緒にいようなんて
美しい言葉は出ず、ただどんなに貴方を大事か
この先ずっと幸せを祈っているかそう言いたくて
目を見つめたとき 全てが悲しいくらい見透かされていたのね
大事なものも違い 生き方も違った私達が
どんなに穏やかな陽だまりのようなひと時を過ごしたか
貴方と話す時間に傷ついた心がどんなに癒されたか
この日々が私に笑顔と安心感とそしてちょっとした心の痛みを
教えてくれた
一歩踏み出すともう貴方とは違う世界
この手の温もりはそれでも永遠に心に宿る
心が痛くて痛くて でも 温かい
好きでも離れる事もあるのだと思い、自分の前の道を歩く
横を見ると貴方は大好きな笑顔で手を振る
離れて行く貴方の道とまたいつか交差することがあるならば
そのときは一本道が広がると願ってる
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