短歌的抒情は現代詩の敵か?/umineko
12月3日付の某朝日新聞に、小野十三郎賞贈呈式の記事が出てました。そこで、選考委員でもある詩人の金時鐘(キム・シジョン)さんの講演の要約が、本人の寄稿として載ってます。これをみて、(あーまたこれかー)と、深いため息。
前半はいいんですよ、わりと。「馴れ合っている日常からの離脱と、馴れ合っている日常に向き合うことが詩を生ましめる原動力」であり、「詩」は「現代認識における革命」であると。まあ大仰に言えばそうですよね。
でも、後半がねえ。「現代詩は思いを感じさせることより、見える物として描こうと努めるものですので、情感をそそるようなことは極力避けるようになります」とか。さらに小野氏の著書『詩
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