時をおくる/
月夜野
私の中で歌っていた
リズムはもう死んで
あとには振子とぜんまいが
解体工場の鉄くず同然に
ゆっくりと瞬目しながら
光の中に溶け出していくのだった
秋の日の
どこか諦観した空気の襞々から
消えゆくものたちが羽ばたいて
最期の
それはそれは物悲しげな叫びを
発し続けているのだった
調速機さながらの規則正しさで
輪列をパルスに変えて
虚空へ放ち続ける
その儚い脈動に花を添えて
私は時をおくろう
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