スーパーノヴァ/水町綜助
窓際に
置かれた
書棚
その窓はすりガラスで
鉄線が格子状にガラスの中に張り巡らされている窓で
北側の壁にはめ込まれている
僕の腰ぐらいの高さの書棚の上には
郵便物用の小さな秤 小さな籠 オイルの缶 透明の空き瓶
なんかが適当に置かれていて
窓は北側だから日差しは薄い筈だけれど
ちょうど路地を挟んだ向かいのビルが真っ白なので
照り返しが窓一面を白く光らせていて
それで秤も籠も缶も瓶も輪郭をあいまいにほの白くぼかしていた
あいまいな輪郭
ガラスの瓶なんかは透き通っているから
丸ごと透き通っているから
窓の格子模様を透かしている
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