寓話/月夜野
 
しかすると花々が待っているのは
   王の退位かもしれない
   暗い森の王の名は 
   忘却
   王に触れられたものは皆
   その名前さえ忘れるのです
   永遠に


   いま
   あなたの足元から梯子が外されていきます
   ああ外されたら あなたは
   樹の上で一人ぼっちです
   サルは樹に登った
   そしてあなたはヒトになったのです


  (あれはやっぱり汚辱でしょうか)


   はてさて あなたの選択した未来の図は
   暗いのでしょうか
   それとも明るいのでしょうか


   答えはここには

 
   ない
            


戻る   Point(15)