寓話/
月夜野
(それは罰でしょうか
それともただの汚辱でしょうか・・・・・・)
樹の幹につと掛けられた梯子に登ったのは
愚かさでしょうか
それとも下卑た好奇心でしょうか
いえいえ
それはほかならぬ
あなた(でありわたし)です
暗い森の樹々の梢に
白く清らかな月が懸かり
あなたの胸をきつく締めつけた
けれども樹々は意地悪くも
空を覆い隠してしまったのです
白い光が欲しくてあなたは
樹に登った
それは遠い昔から遺伝子に刻まれた
未来への希求という
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