散文詩「パラダイス イン ミヤコ」/アハウ
を
撫でたら
その美しい追憶で
満ち満ちたら
二人
追憶の機織り
休み
新たな
物語のため
新たな
織り紋様のため
あの沖行く
船に
乗ろう
船出しよう
新しい
魂の
経験の
ため
ひとしきり麻理は波で遊ぶと、こちらを振り返りおどけた仕草で愛
嬌を振りまく。私は戻っておいでと手招きする。首をかしげまだ遊
びたいようだ。
キーンとジェット機の金属音がする。これだけで時間がわかる。
南の島、楽園だと思う。もう昼に近いらしい。昼ごはんを食べなけ
ればいけないが、まだおなかもすいていない。今日は時間が過ぎる
のが早いなと思いつつ、私はバッグからスペインの観光案内を出し
てパラパラ見始める。二人の行ってみたい国ベスト1だ。グエル公
園、サグラダファミリア・・・麻理が渚で遊んでいる・・・風が心
地よい。私は自身がうつらうつらし始めたのを感じた。このパラダ
イスで・・・
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