秋空の落下/
月夜野
あなたの腹黒い証明を
鏡に映して見せてください
切り開かれた瞳孔は
直視するのを嫌うでしょう
冷たい夜の水底へ
螺旋を描いて降下する
わたしの羽音は軽やかでしょうか
染み一つない秋空に
体を預けて飛びました
やさしいあなたの街角に
見知らぬ日傘が見えたとき
羽は動きを止めたのです
いのちに証しが要るのなら
痛み
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