まざる/キー坊
 
小さな吐息を
繰り返すその行為の
自己満足と陶酔のようなものでなく

声を枯らす彼女の
喉と分泌物と
歌に込められた憎しみのようなもの

それはドクトルが
犬と話すような
矮小で卑賤な欲求でなく

ドクトルが
なぜ犬と話すのかといった
掴み所のない話

その繋がる部分に
私とあなたを据える事が
月と湖のように
いかにも親密であって欲しい
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