オヤスミ/琉碧 翡翠
街さえも眠る AM2:45 月が夜空とランデブー
隣室からはママの泣き声 パパは暫く見てないわ
ベッドサイドに置いてある 剃刀を取るのも億劫で
真っ赤な爪をゆっくりと 左腕へと突き刺した
「パパがいなくなってからね ママはオカシクなっちゃったの
いつも泣いてばっかりなのに 私をぶつ時だけ笑ってるわ。」
私もあの子もママもパパもあの人も 月も空も影も公園のブランコも
全部全部オヤスミなさい 今日はゆっくり眠ってね?
私が代わりに起きててあげる だからゆっくり眠ってね?
空さえも眠る AM2:55 パパは誰かとランデブー
隣室からはママの鳴き声 なんて可哀
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)