飛跡/静山和生
 
        崩し鳴らず

            いすか
            遠くすれ違う
            障壁が消える音

            暗さの構築を
            くりぬく
            夜目のきく嘴

            高さの無い空域

            抜け落ちる
            舞い落ちる
            おそらくは灰の後

            煙が降る
            落差だけが
            空だと言った。






            今一度
            燃焼の傍らへ
            置き忘れた
            尾羽根を火にくべる


            丘陵に
            鈴なりの羽音

            降りしきる光の痕

            共振を忘れた切迫
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