子どもの隣り (灰谷健次郎さんを偲ぶ)/まほし
れば
熱い雨がぽたぽた落ちてくる。
からだの血となってかけめぐる
いとおしい人たちの涙が・・・
ところが、あなたは、先にいってしまった。
天に瞳をこらすと
背もたれていた木は
どんどん蔭りと光りを深めて
隣りに転がるドングリひとつ。
今さらあなたの大きさに気づくなんて。
あなたはいなくなったんじゃない。
かくれんぼしているだけ。
まだここにいる。
ここにいる。
平成十八年十一月二十三日に亡くなられた
灰谷健次郎さんに寄せて
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