体温/水町綜助
 
冬が秋に流れ込むとき

夜に長い雨が降って

切れ味の鈍い刃物みたいなつめたさの水が

体と体の間に滔々と流れた

僕はとある地方都市の道の真ん中で生まれて

都市計画がめずらしく成功した広い道路を

ぐしゃぐしゃの頭を手で掻き回してあるいていた

あなたは南アルプスとか言う山に抱かれた小さな町で生まれたらしいね

僕は行ったことはなかったけど話に聞くととてもきれいなとこらしい

今度行ってみるよ


記憶の中の太陽のひかり

ひとしく別々の町を照らした

オレンジ色と透明の光線は攪拌した

アップルタイザーとあたたかいミルクを

同じ
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