プラチナ/万里
 
すっかり冷え切った指先を
笑いながら、いとおしそうに暖めてくれたのは
隣に眠る、あなたとは別の男でした

ふたりの間にあるばかみたいに多い記念日を
さりげなく、大切にしてくれたのも
私の夫という、くだらない肩書きの持たない男でした

こんなにも、
心はどこかにいってしまっているのに
本体は
くだらない男の腕の中にいます

指にはまる
白金の小さなわっかにとらわれて
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