日だまりの空/まどろむ海月
 





虹色に燦めく
蜉蝣の羽をまとって
あなたは透き通り
去っていった

あれ以来
導く天使の声を
失ってしまったようだ

舞うような仕草が
刻印されているので
蝶を見ても
花片や紅葉が
ふりちるのを見ても
あなたの面影を追ってしまう



硝子の皮膜のように
風の切片が剥がれて
舞い降りた

抜け落ちたような
青空の微笑みに
幸せだった日の
あなたを想う


冬のひだまりの中
こんなに明朗な
空を見上げてさえ
私の心に
痛みとともに
剥がれ落ちていくものが ある





         



戻る   Point(5)