虹色に燦めく 蜉蝣の羽をまとって あなたは透き通り 去っていった あれ以来 導く天使の声を 失ってしまったようだ 舞うような仕草が 刻印されているので 蝶を見ても 花片や紅葉が ふりちるのを見ても あなたの面影を追ってしまう 硝子の皮膜のように 風の切片が剥がれて 舞い降りた 抜け落ちたような 青空の微笑みに 幸せだった日の あなたを想う 冬のひだまりの中 こんなに明朗な 空を見上げてさえ 私の心に 痛みとともに 剥がれ落ちていくものが ある