花瓶の底、龍の眼/はらだまさる
 
識して、
いることに、
気が、
付いた、
俺は、
鳥だ、
水鳥だ、
早く、
一刻も、
早く、
飛び立たなければ、
俺を、
待つ、
親鳥や、
仲間が、
心配している、
探して、
いる、


ひしゃげた、
地球儀を、
俺は、
水掻きの、
膜がある、
手の、
歪な、
爪で、
引っ掻き、
ぺろぺろ、
ぺろぺろ、
と、
全身が、
鱗だらけに、
なった、
この、
身体を、
舐め続ける、
お前は、
乾燥した、
舌を、
水に、
濡らしては、
また、
優しく、
舐め続ける、
その、
お前の、
真っ白な、
柔らかさが、
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