小さな一人旅/李恵
まるで深海のよう。無心の状態でいればなにごとも恐くないと気づいた。
今ここでは水面に上がることが必要。
今ここでは酸素を補給することが必要。
今ここでは落ち着く心が必要。
死にたいと思っていても人は生きるほうへ進んでく。
望まなくても手に入るものがある。
望まなきゃ手に入らないものがある。
望んでも手にはいらないものがある。
与えられたレールを歩くように
スタンドバイミーみたく線路をただひたすらに歩いて行けばよかった。
橋を渡るのはまだはやすぎたのかもしれない。
水泳を真面目に習っておけばよかった。
戻る 編 削 Point(7)