冷めた欲情/ロリータ℃。
二人の温度に車の窓が曇っていって
心の在り処もわからなくさせる
長い睫毛に香水のにおい
あたしが吸う煙草の煙
居心地良い筈なのに
どうしてこんなに惑っているのか
あたしのグロスがその唇に纏わりついて
薄闇の中てらてらと光った
扇情的な光景だけれど
あたしはまだ迷っている
あなたはちらちらとこのまぶたの裏で光る景色を
消したくてあたしの鎖骨に噛み付いたのか
あたしはひらひらと脳の中で舞っている残像を
消したくてあなたの耳に噛み付いたのか
夜明けの身軽なさみしさの中で
あたしはまだ迷いながら
その首筋に欲情してる
もう溺れたくはないけれど
あたしはまた恋をするのか
ちらちらとひらひらと
あの日去った彼の背中を
未だ忘れてもいないのに
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