五百円玉/
はらだまさる
に嘘をついた。
「ぼくがヒサコにメイレイしてん。おかあさん、ごめんなさい。」
その後、ヒサコの前で僕はお母さんに
思いっ切りひっぱたかれ、怒鳴り散らされ
玄関先に紐で括り付けられてお父さんが仕事から帰って来るまで
ずっと外で泣いていた。
――― あれから二十数年、未だに僕は女性のことが怖い。
しかし、僕がこうしてゲイになって一番喜んでいるのは
お母さんとヒサコかも知れない。
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