ひたむき/松本 涼
 
ずいぶん遠くまで歩いて
きみのクツはまるで
最初と違うカタチのようにみえる

たくさん土の上を転がって
きみの服はすっかり
元の色を失ったようにみえる

何度も傘が破れて
きみの身体はひどく
冷えてしまったようにみえる

そのまま強い風に吹かれて
きみの肌はとても
硬くなったようにみえる

答えの出ない質問ばかりが膨らんで
きみのココロは今にも
弾け飛びそうにみえる

だけどきみのたましいは
そんなことにはお構い無しに
どの瞬間にもひたむきだ

力強く清潔だ

どうかきみのひたむきが
喜びに出会える場所まで
きみを導きますように


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