ねぇ/茉莉香
 
 太陽が消えちゃった夜
 しんと静まり返った部屋
 放り出された読みかけの本
 
 無理やり履いていたブーツ
 足はまめだらけ 真っ赤

 ねぇ 逃げなくちゃ
 貴方の香り まだ残ってる
 町歩いていたら
 同じ香水をつけた人が笑ってた

 ねぇ 会いたいの
 忙しいんだよね 
 我侭言っちゃいけないんだよね

 ねぇ 独りなの
 どのくらい会っていないのかな
 私なんのためにいるのかな

 ねぇ わかってるけど
 心がぷしゅーって
 どんどんしぼむ
 信じたいけど怖いの

 ねぇ 逃げたいっていったら
 引き止めて くれるの
 

 

 
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