言葉の広場/ぽえむ君
長い長い階段を
ずっと一人で上っていくと
大きな広場が
目の前に広がっている
そこでは言葉たちが
浮いたり飛んでいたり
大きかったり微かだったり
言葉と人が当たったり
言葉と言葉が混ざったり
「愛」や「壊」など
それぞれの言葉たちが
思い思いのままに広場を支配する
今
誰かが発した「求」という言葉が
自分をかすめていった
自分が求める言葉を
探すことができなかったので
大きな広場の隅にある
小さな出口から
長い長い階段を
またずっと一人で上り始めた
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