自然のしくみ/アサリナ
毒されたと言うのか
見る目がないと言うのか
君は
どさくさに紛れている
心は足元にあって
首は鞄の中にあって
見つからない見つからない
どこまで腕を這わせても
見つからない見つからない
そこに草が生えるような自然のしくみ
どさくさに紛れて
わたしは
君が気づかない自然のしくみ
見つからない見つからない
どこまで意識を飛ばしても
見つからない見つからない
夢の続きの繰り返し
隣の芝は青いのか
発つ鳥後を濁さないのか
変わらないだけ
そこにあるだけ
花が咲くような自然のしくみ
崩れ落ちた骨の青
鳥は鳴いて
君は呼んでいたのか
わたしは呼んでいたのか
自然のしくみがそこらじゅう
君はまた目を背ける
見つからない見つからない
君はまた目を探す
見つからない見つからない
瞼はベッドの上にあって
声は壁の向こうにあって
どさくさに紛れて
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