逆走/カンチェルスキス
 
 コートの若い男と女たちが集まっていた。



 ラーメン屋の隣はカラオケ屋だった。
 一時間八百円と書いてあった。
 商店街のアーケードを抜けると
 信号が一つあって
 今度は止まらずに歩いていけた。
 


 歩き疲れた末に公園の滑り台の柱に触った。
 あの車が事故を起こしたのは
 自分から逆走したせいだった。

 救急車の音はもうやんでいた。

 熱が奪われていった。



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