夢の中の街は/ぽえむ君
 
夢の中の街は
思っていたよりもずっと
重化学工業だった

建物はすべて
高度経済成長だった
メインストリートでは
地元の人々が
それぞれに近所話をしながら
いろいろな店へと入っていた

夢の中の街は
思っていたよりもずっと
宇宙だった

建物の中はすべて
惑星旅行だった
フロアーには階段も
エスカレーターも
エレベーターもなく
小さいカプセルのようなものに乗り
雲の中を浮き沈むように
目的の場所へと移動する

夢の中の街で
自分が買ったものは
何も無かった
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