銀河鉄道と共に/
 
 今日、頭の中でブラウン運動が起こっている不快感に耐えつつ、いそいそと道を歩いた。爪先ばかり見ていたら道を間違えた。嗚呼、急に泣きそうになる。手が痺れる。
 もうすぐ僕の目玉はなくなって、真っ暗な二つの穴からはたくさんの蟻んこが這い出てくるんだ。半開きの口からも。僕の力ないやつれた手足は縋る人もなく徐々に朽ちていく。僕はただ「愛されたい」と願っただけのなに。

 ほら、空からは星が降ってきたよ。カムパネルラのお出迎え。僕たちは幾度か口付けを交わし、目でお互いの愛を確かめた。それでも僕たちは一人だった。愛を知らない者は他者にも愛を与えられないことを僕らは知っていた。
 僕らは何一つ口から溢さ
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