蛍光灯/ロリータ℃。
 

切れかけた灯が点滅して
夜の空気をざわめかせている
人もまばらな公園で
赤く染まった爪先が
あなたの頬を蹴りつけた

ちらちらと瞬く安い灯りは
薄暗く二人を纏う
その中で白く浮かぶあなたの頬
赤く染まった筈だけれど
どうして此処には月がないのか

セヴンスターに火をつけて
まだ其処にいるあなたを見下す
跪いた姿は無様以外のなにものでもなく
お酒の味がする唇に私は一つキスをした

お月様さえいない夜
私の体をどうか触って
その細く綺麗な長い指で
私の足に触れればいい
今絡めてるその舌で
私の足をなぞればいい

あなたは綺麗な孤独のひと
水を湛える目は柔らかく澄んでいる
抱きしめたいなと思ったけれど
痛んでしまうかもしれない

だから抱きしめられもせずに
私はあなたを蹴りつける
愛していると囁きながら
愛してほしいと呟いた




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