有限スペクトル/ウデラコウ
閃光は 僕を超えて 真っ直ぐに 延びていく
触れれば その光の粒子は 弾けて四方へ飛散していくけど
すぐにまた 一筋の線に戻って
立ち止まる僕を 嘲笑うかのように まっすぐまっすぐ延びていく
あの勇ましく 延びる スペクトルを 追いかけだしたのは
いつからだったろうか
暑く茹だるような 日差しの中も
冷たく凍えるような 空気の中も
ただ 真っ直ぐに延びる その光に
僕は
酷く憧れたんだ
そのスペクトルの先端は 今何を 見ている?
それはいつか僕も 見られるものかい?
余所見をして いつもフラフラしている 僕の横を
目映い光で 何処かへ向かって 飛んでいく
スペクトルの その先へ
一歩でも 踏み出したいんだ
無限に続く スペクトルのその先へ
そして 誇り高そうに 無限を語る 君の名を
有限スペクトル に変えて
有限である 僕に 並べたいんだ
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