僕の知る世界/
アゲとチクワ
いつかこのまま
きっとこのまま
泣きつかれた僕は
色あせた人ごみの中に
強い風に乗ることも出来ずに
日の光を浴びることなく
いなくなってしまうのだ
両手に抱えられた紅のリンゴを
羨ましそうに眺めても
僕には温もりが伝わらない
まぶたに溜まった涙がこぼれ落ちないように
ガスのかかった空を見上げる
また人ごみに埋もれる
でも見つけたんだ
紅のリンゴ
音のない世界でも
モノクロの機械仕掛けの世界でも
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