*琥珀と私・その3<試論無修正版>/知風
 
少女が爆死したその瞬間は
少年の爆死したその瞬間だった

少女が生きたその時間は
少年の生きたその時間でもあった

少女が愛した世界は
少年の愛した世界ではなかった

少女が憎んだ敵は
少年の愛した同胞だった

少女が愛した自然は
少年の戦った自然だった

少女が愛でたその小動物は
少年の村では神から賜る肉と皮だった

少女が乗るはずだった機関車は
少年の生きる大地に酸の霧を送った

少女が捨てたコカ・コーラの缶カラが
少年の作った爆弾の外箱になった

少女が駅舎もろとも吹き飛ばされた時
少年の頭蓋も煙になった

少女が大きなお葬式の主役になっ
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