*琥珀と私・その2<試論無修正版>/知風
 
婦の姿を見る

欺瞞の元に死は醜悪に歪められ
やがて生者の好んで喰らうところとなる

死を喰らう生者のひりだした糞が
水面に脂の虹を浮かばせる

真に強く優しい者たちは
静かなため息のうちに沈む

全てを見下ろしながら見上げる
螺旋重層の交合点

そこでは全てが名をなくし
そこでは全てがひとつになる

アルカディアを吹き抜ける風は
ペィソスの銀粒で澄み輝いている

そんな深き海溝の森の底で
優しき者はそっと悲しみをこぼす

小さな精を閉じ込めた
一粒のとうめいな
琥珀色の運命を

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