ほろびゆく空間にほろびおえた空間にほころびた空間に/土田
 
しがらみの中から曲線を探している
手のひらに携えた海の成分を解きほぐしてゆけば
そこにはけものたちの骨ががなり立て帯びていることがわかる
そこら始まるはずだったいくつもの海のかわきはまだ湿り水気をほおばり
そのしがらみを、さらに遠くの空虚を、そして終着である円を
そこに在るべき空間へと成そうと在らざる焦点を見つめ
降り続ける観念をもその線を成そうと胎を探している

知ろうとすれば、“やがて”と“次々”がわたしを見えないものへと置換してゆく
知らないものは類似することができないため、見つからない言葉を掘り当て
初めは散りばめてゆき、最後には埋め尽くされ、面は腐臭と液に覆われ

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