*琥珀と私・その1<試論無修正版>/知風
 
まず前置きいたしますに

私がいつも憎んできたのは
全ての思春期的なもの

すなわち

わがまま勝手に膨らむ
脂肪のかたまりでして

そんなぶよぶよたちに
後ろ回しの蹴りを入れる

そんな激烈な毎日が
私の脊椎を硬く真っ直ぐにしたわけです

そんな私だから
あいんしゅたいん翁の言うところ

「回転するものはまた 同時に止まっておる」

んなこたぁ
とうに悟っておりまして
今はもっぱらひざカックンで
重力場任せにすませちまいます

そこでげろげろ言ってるのは
両生類のニヒリズム

みんなの瞳孔はひらきっぱなし
それをサングラスで塞ぎ

みんなの鼓膜もひらきっぱなし
それをヘッドホンで塞ぎ

そんなあいつらの目の前で
地獄の門をこじあけてやりやしょうや

なんて風の狂いにも
太宰府天満宮の楠木は

さわ

とかすかにささめくのみで
あとは箪笥の匂いをしゅんしゅんさせている
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