園芸家には観客が必要だ(1)/鏡文字
 
ベティの口から
花がこぼれる
一語につき一つずつ
時には真珠や珊瑚も混じる
俺はこの女と結婚する

できるだけ養生して
よく陽にあたり
水薬を嫌がらないことが肝心だよ
菫、アネモネ、矢車草
それぞれには時期がある

ベティ、小さな花で
俺を埋めてくれ
俺の腹の上で マグァンプKを食べながら
お妃さまのお話をしてくれよ
淡い香りの野の花が
生れるところを見たいんだ

俺はいろんなところに行って
今ではこんな体だが
ベティ、お前がそうして
花を湧き立たせながら
立ったり座ったりしているのが
そうしているのを見るのが
何よりの生きる希望だ
ベティ、お伽話のような娘。
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