消えてしまったひと/杉菜 晃
 
あるいは「消えてしまったひと」というタイトルが、
同じ運命を辿ろうとしていた彼女の心境にぴったりして
いたのかもしれない。
 しかし裸同然となってしまった弱者である私からすれ
ば、穏やかではありません。ポイントの喪失にとどまら
ず、そのうち読ませてもらおうと思っていた彼女の詩の
欠片すら残っていないのですから。
 そんなことから、惨めさ手伝って一度は削除したこの
拙い詩を、世情を斯界に問うつもりもあって、書き改め、
ここに再登場と相成りました。
 前置きが長くなりましたが、どうぞご笑覧くださいま
すように。



「消えてしまったひと」


そんなに深い意味があ
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