ニンゲンずきのヒトぎらい/朱桜天 遊雨
あたしは一人がいい
その子はぶっきらぼうにそう言った
たしかにその子はひとりぼっちで いつも皆を眺めていた
なんで?
わたしは聞く
一人なら 傷つかなくていいもの
不公平もないし 便利でしょ?
その子はさらりとそう言ってのけた
あたし ひとぎらいなの
次の日も 次の日も
その子はひとりで座って みんなを見ていた
その子の顔はいつも笑顔で
とても幸せそうだった
転んで泣いてる子にそっと手を貸して
ありがとうと言ってもらったら
とても嬉しそうな顔をしていた
なんで?
わたしは聞く
わたしは人間は好きだもの
あたりまえのように その子はそう言った
そうよ? わたし 人間好きの人嫌いなの
満面の笑顔を浮かべながら
その子は最後にこう言った
あなたと同じよ なにもフシギじゃないでしょ?
それから数年がたって
今はわたしが あの子と同じ場所に座っている
あのこと同じ顔で 嬉しそうに笑いながら
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