太陽の女神/朱桜天 遊雨
わたしはあなたを生んだ
でもわたしは あなたを抱けない
わたしの身体は灼熱の炎
あなたが燃え尽きてしまうから
わたしの吐息は害毒の霧
あなたを侵してしまうから
ああ
でもわたしはあなたを忘れられなくて
こんな遠くからあなたを見ているのです
わたしの炎が あなたをやさしく暖める場所で
わたしの吐息が とどかなくなる場所で
ただ あなたが育つのを見ている
ああ
どうかわたしを忘れないで
わたしはいつでもあなたを見つめているから
わたしはあなたを抱けないけれど
わたしの想いはきっとあなたを抱きしめる
ああ
どうか どうか
ときどきでいい
わたしを思い出してください
ときどきでいいから空をみあげて
わたしを見つけてください
わたしはあなたをみつめつづける
この身が燃え尽きるそのときまで・・・・
ずっと ずっと・・・
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